空き巣被害というのは他人事にように考えがちですが、実際にはいつ誰が被害者になってもおかしくない犯罪です。自分の家にはお金や貴重品がないから大丈夫だろうと考える人もいますが、これも大きな勘違いです。たしかに空き巣はしっかりとした下調べを行い、ターゲットとなる家に、どの程度の現金や貴重品があるか、ありそうかということを想定して犯罪を行うことがあります。

しかしすべての空き巣が綿密な調査ののちに犯罪に及んでいるかといえば、決してそうではありません。行き当たりばったりに、比較的侵入が簡単そうだったからという理由だけで、その家をターゲットにする空き巣だっているのです。
さらにそうした「見込み」で犯罪行為に及ぶ空き巣の多くは、適当に選んだターゲットであるにも関わらず、その家に金品んがないと知るや否や、手あたり次第に家財を破壊するなどの蛮行を行う場合があります。

また、仮に金品などの被害がなかったとしても、犯罪者に家中を物色されるというのは決して気持ちの良いものではないでしょう。さらに言えば、そのときたまたま家族が在宅していたにも関わらず、それに気が付かない暴漢が侵入してきたとしたら、そしてそんな犯罪者と鉢合わせしてしまったら。
居空き、居直り強盗などの被害を考えれば、自分の家は大丈夫なんて悠長なことは言っていられないというのが現実でしょう。

防犯性能の高いカギを玄関に取り付けるのは、空き巣被害から自分の家を守るうえで有効な方法です。しかし、なにも既存のカギをすべて役に立たないと考えるのは早計です。カギの防犯性能とは、そのカギを無理やり解錠するのにどの程度時間がかかるかということであり、いわば「程度の問題」なのです。
そうやって考えた場合、玄関のカギはひとつよりふたつ取り付けたほうが良いということになります。侵入盗にとっては、手間がかかる玄関をわざわざ解錠することは、決して賢い方法ではないからです。