ダイヤルロックの番号を忘れてしまうのは致命的

ダイヤルロックは暗証番号をカギとして使用するセキュリティーシステムです。ひとつのロックに対して複数の人間がカギを使用する場合、合鍵を制作する必要が生じてきますが、ダイヤルロックの場合は暗証番号を知っていること自体がカギの所持と同じ意味を持つことになりますので、利便性や手軽さという側面で優れた防犯システムと言えます。また、自転車などのロックについて、簡易的に施錠する方法や、複数のカギを付ける場合のひとつの要素としても、汎用性の高いツールであるために、利用している人の多いのではないでしょうか。

手軽で便利なダイヤルロックですが、一度ダイヤル番号を忘れてしまうとどうすることも出来なくなってしまいます。ほかにもそのロックナンバーを共有している人がいれば別ですが、自転車やスーツケースなどの個人所有のセキュリティーの場合、知っているのは自分だけというケースのほうが多いことでしょう。暗証番号のついたタグや、番号を書き留めたメモを保管しているという人もあまりいないのではないでしょうか。

また、高いセキュリティー性能が求められるシチュエーションでの使用はおすすめできません。チェーンやワイヤーロックの一部となっている場合は、そもそもダイヤルロックそのものの性能自体が問題になりませんが、多くのダイヤルロックが安価であるものほど、コツがわかっている人ならば簡単に開けてしまえるからです。ロックダイヤルをゆっくりとずらしていくと、解錠されるべき部分の挙動が変化する場所があります。桁の数だけそれを繰り返せば、ある程度の慣れは必要ですが簡単に解錠できてしまうというわけです。

しかしこれは裏を返せば、たとえ暗証番号を忘れてしまっても、なんとか解錠できる可能性が残されていることを示していることになります。セキュリティーとしては皮肉なことですが、暗証番号を忘れるという致命的なミスも、取り返しがつく場合があるわけです。